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第3回:優柔不断なアナタに向いている

大石将平

 

高い買い物をするのが苦手です。 

 

 

自分が高校生の頃には、 

MDプレイヤーなるものがありました。 

(知っているアナタはきっと同世代)

 

 

雑にいうと、

音楽を録ったり再生する機械です。

 

 

ある年のお正月。 

親戚にもらったお年玉を財布に入れて、 

家電量販店に行った時のことです。 

 

 

お目当ての音楽コーナーに行くと、

ずらっと並ぶMDプレイヤー。

 

 

時代は、MD全盛期。

 

 

その品揃えに目がくらくらしました。 

 

 

いろいろ見て結局決められず、 

カタログを全ブランド分、

持ち帰ったのを今でも覚えています。

 

 

一晩かけてカタログを読み込み、 

スペックや機能、価格を比べ、

 自分のお年玉と相談しました。

 

 

そして、

ひとつの答えに辿り着きました。 

 

 

 

(これだ! これしかない!)

 

 

 

翌日、意気揚々と家電量販店に 

再び自転車で向かいました。 

 

 

 

(さあ、買うぞ! )

 

 

 

 

「これ、ください。」と店員に 伝えると、 

思いもよらない返事が返ってきました。 

 

 

 

 

 

「色はどちらになさいますか?」

 

 

 

 

 

 

(・・・・色? だと?)

 

 

 

 

 

 

 

カラーバリエーションは3色。 

決して多いわけではありません。 

 

 

白は汚れが目立つし、黒だと地味か・・? 

間をとって派手な赤にするか…。 

 

 

 

結局そこから3日ほど悩みました。 

 

 

 

 

こんにちは。 

優柔不断なコピーライター 

大石将平です。 

 

 

 

数字で比べられないものを 

決めるのって大変ですよね。 

 

 

その点、今の時代は、 

口コミというものがあって 

随分ラクになりました。 

 

 

 

さて、

今回のコピーライターに向いている人は、 

優柔不断なアナタです。 

 

 

 

え? 

 

 

 

クリエイターって、 

バシッと決断するのが大事じゃないの? 

って思いますよね。 

 

 

 

もちろん、 

クリエイティブ “ディレクター”になると 

決断力は大事なことです。 

 

 

 

でも、コピーライター

意外と優柔不断なくらいが 

ちょうどいいんじゃないか?と 

思うことが多々あります。 

 

 

今回は、そんなお話です。 

 

 

大石将平(おおいし しょうへい)

TBWA HAKUHODO
Disruption Lab

クリエイティブディレクター/コピーライター

2014年 博報堂に入社。2016年 NTTドコモ「歩きスマホ参勤交代」にてTCC新人賞を受賞。2019年 パラ卓球協会「THE MOST CHALLENGING PINGPONG TABLE」にて、Cannes Lions Design部門 GOLDをはじめ、数多くの海外賞を受賞。2021年 アジアで最も海外賞を獲得したクリエイターに選出される。
2023年「ホントにあった#俺たちのモンストーリー」が総務大臣賞/ACCグランプリを受賞。同年、クリエイター・オブ・ザ・イヤー、メダリストに選出される。2024年 McDonald’s「スマイルあげない(No Smiles)」にて、Cannes Lions Social & Influencer部門GOLDを受賞する。

 

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