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クリエイティブって奥が深い。 LPのCVR・ユーザビリティを引き上げる「ギミック」編

広告クリエイティブ学べます
こんにちは。「クリエイティブって奥が深い。」シリーズの第12弾(最終回)になります、よろしくお願いします!
事例を用いてクリエイティブの戦略・テクニック・デザインなどの解説を行っているXのアカウント「広告クリエイティブ学べます(@manaberu_ad)」を運営しております、白戸拓野・川畑風雅と申します。
世の中の広告は、必ずつくった人が存在し、裏側では、"なんのためにやる?・ターゲットは?・何を伝える?どんな風に?"など、多くの議論がなされているケースが多く、これらの"なぜ、誰に・何を・どう伝えるか"を組み立てる思考を、ここでは"クリエイティブ戦略思考"と呼ばせていただきます。
こちらのコラム「クリエイティブって奥が深い。」では、この"クリエイティブ戦略思考"を強くしていただくことを目標に、綴っています。
応用がきく考え方ですので、マーケティングに関わるときに限らず、経営・セールス・採用など、様々なビジネスシーンでご活用いただけますと幸いです。
さて、今回のテーマは、『LPのCVR・ユーザビリティを引き上げる「ギミック」編』です。
第八弾までは、クリエイティブ戦略に関する解説が中心でしたが、第九弾以降は「どう伝えるか」という視点から、広告バナーやLPに関する具体的なデザイン要素を掘り下げています。
今回はその中でも、LPで活用されるスライダーやカルーセルなどの「ギミック」にフォーカスして解説していきます。
スマホでの閲覧が当たり前となった今、LPにおける“伝え方の工夫”はより重要になってきました。
なかでも、ユーザーの行動を後押しする「ギミック」は、単なる演出ではなく、設計の一部として考えるべき要素です。
今回はその設計視点と活用方法を、具体例とともに解説していきます。
ぜひ、最後までお付き合いください。
Vol. 12 ~LPのCVR・ユーザビリティを引き上げる「ギミック」編~
【ギミックは“なんとなく”で入れるものじゃない】
LPでよく見かける"スライダー"や"ポップアップ"、"アコーディオン"などの「ギミック」。
デザインにメリハリが出ることもあり、つい「それっぽくなるから」という理由で採用していませんか?
確かに、こうしたギミックを入れることで、LPに動きが加わり、視覚的なインパクトが出ます。
しかし、そのギミックは本当に必要でしょうか?
「ユーザーにとってわかりやすいか?」「操作のストレスになっていないか?」といった視点が抜け落ちたまま導入されているケースも少なくありません。
ギミックは、見た目の装飾ではなく、あくまで“体験をスムーズにするための設計”の一部です。
「なぜそのギミックを使うのか?」を明確にしないまま使ってしまうと、かえってCVRを下げてしまうこともあります。
だからこそ、“なんとなく”ではなく、“意味のある設計”としてギミックを選ぶ。
この視点を持つことが、LPの完成度を高める第一歩になります。
【ギミック設計の4原則】
——「何を」「誰に」「いつ」「どう見せるか」
ギミックを活用するうえで、見た目の演出効果だけに着目してしまうと、本来の目的を見失いがちです。
ギミックは“目立たせる”ためではなく、“伝える”ため、“行動を促す”ために存在します。
では、具体的に何を考えて設計すればいいのでしょうか?その答えが、次の4つの視点です。
「何を」伝えるためのギミックか?
ギミックには必ず「何を伝えたいのか?」という明確な目的が必要です。
・商品のバリエーションを一覧で見せたいのか?
・よくある質問をスッキリまとめたいのか?
・他のユーザーの事例を回遊してもらいたいのか?
この目的が曖昧なままだと、ギミックは“あるだけ”の存在になってしまいます。
逆に、目的が明確であれば、必要最小限かつ効果的に活用できます。
そのため、まずは何を伝えるべきギミックかを整理しましょう。
「誰に」向けたギミックか?
ターゲットの年齢層、リテラシー、閲覧環境によって、適切なギミックの種類や量は変わってきます。
たとえば、若年層を対象としたサービスでは、カルーセルや動画など動きのあるギミックも受け入れられやすい一方で、高齢者向けであれば、シンプルで迷わない導線設計が求められます。
ギミックの選定には、ターゲット理解が欠かせません。
「いつ」動かす・出すのが最適か?
ギミックの表示タイミングは、ユーザー体験に直結します。
たとえば、ページを開いた瞬間に出るポップアップは、内容を把握する前のユーザーにとっては“邪魔”になってしまう可能性があります。
一方、一定の滞在時間やスクロールに応じて表示されることで、“ちょうどいいタイミング”に変わることもあります。
設計においては、表示の「タイミング」こそがギミックの成功を分けるポイントになります。
「どう見せるか」で体験は変わる
同じギミックでも、見せ方ひとつで体験の印象は大きく変わります。
たとえば、追従CTAが画面の1/3を占める大きさで出てくると、ユーザーはコンテンツが読めずに離脱してしまう可能性があります。
逆に、控えめなサイズと自然な表示であれば、違和感なく行動を促すことができます。
ギミックは“気づかれないほど自然に溶け込む設計”を目指すことが理想です。
【各ギミックの特徴と活用ポイント】
ここからは、具体的な6つのギミックについて、それぞれの特徴と活用ポイントを解説していきます。
1. 無限ループスライダー
無限ループスライダーは、複数のコンテンツをテンポよく伝えられるギミックです。
常に自動で動き続けることで視線を引きやすく、より多い情報を伝えることができます。
活用例:
企業ロゴや風景写真など、瞬時に視覚的な情報を与えるコンテンツに向いています。
多くの企業に導入されていることを示す、店内の雰囲気を視覚的に伝える、などの用途に最適です。
注意点:
動きが速すぎたり、複雑な動きをするとユーザーにストレスを与えるため、速度と視認性のバランスが重要です。
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