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アドさんぽ 第八話

吉兼啓介 / 尾上永晃

 

吉兼 アドさんぽです!半年ぶりぐらいじゃないですか?

尾上 2025年最後の、というかね。

吉兼 今日は虎ノ門ヒルズに来ております。

尾上 今回は2025年を激震させた、虎ノ門ヒルズからですよ!
   「虎ノ門広告祭」があった虎ノ門ヒルズから、芝公園の増上寺まで歩くんですね。
   なんで増上寺なの?

吉兼 年の瀬感があるじゃん。
   一昨年の年末か年始かな?たしか明治神宮を歩いたよね。

尾上 そっか、行ったわ。

吉兼 今回は虎ノ門広告祭についてしゃべりますかね。実行委員でしょ、あなた。

尾上 そうですね。いろいろ企画を出させて頂きまして。

吉兼 実行委員は何人くらいいるんですか?

尾上 大人の部と、若手の部みたいなんで、俺は大人の部に入ってたんだけど。
   ……何人なんだろう? わかんないんだよ。
   菅野さんの下で各所ヒトが動いてた感じがあるから。そんなにいないと思う。

吉兼 来場者、計1万6千人でしたっけ?すごいよね。操作してない?電通が。

尾上 電通、なんも関係してないし、スポンサードもしてないから!

吉兼 そうだ。サイバーエージェント様だ。

尾上 純粋に来てたようですよ。

吉兼 しかも学生が多かったんでしょ?

尾上 TOKYO NODEって、46階に上がるんだよね。会場が。
   上がるまでエレベーター長いでしょ?

吉兼 長い……乗り継ぎ面倒くさかった。

尾上 エレベーターで学生カップルみたいな人たちが、手繋いで乗ってたでしょ。

吉兼 いや、そこまで見てないけどな。

尾上 乗る時、だいたい学生カップルがいて、私はボタン押す係をよくやっておりました。

吉兼 なんで学生が来るの?

尾上 もう一つ開催してた「この言葉、気にになる展」。それが結構インパクトあったみたいで。
   でもそれ見に来て、来た人はついでにアップデートっでお金を払うと、
   お祭りの方に入れるんだけど。

吉兼 トークショーが聞けると。

尾上 そう。結構アップデートいたみたいなのよ。

吉兼 へぇ。 じゃあ虎ノ門広告祭、略して「トラコウ」は来年もやるんですか?

尾上 わかんないけど。
   来年も多分やりますって投稿をすごいしてるから、あるんじゃないですか? もしかすると。
   あなたも何出たんですか?

吉兼 何に出たかな?4つぐらい出ましたよ。
   まず、黒須さんの回では、黒須さんの名作CMに質問したり突っ込んだりしましたね。

   あとは澤本さんと杉井すみれちゃんとカンヌの名作を持ち寄る回。
   ほかは、権八さん、井村さん、吉兼の3人がお互いの好きなCM選ぶ回みたいな。

尾上 すごい、CM界の末っ子の立ち位置じゃん。昔は権八さんが末っ子って言われてたらしいが。

吉兼 俺、もう四十だけど。

尾上 いや、業界がね。末っ子ですよ、四十で…。

吉兼 最後に「CMプランナーナイト」って言って3、4時間ぶっ続けで喋る回。村田さんがMCのやつ。
   電通の村田さんとはほぼ初めてお会いして、気が合いましたよ。
   あなた今一緒に何かやってるでしょ?

尾上 ポッドキャストやってるよ、村田と。「どう?」ってやつね。
   ポッドキャストで再編集して12月14日(日)に公開予定だから、この記事読んでる人は、
   ぜひ「アイデア刺激法〜どう?〜」聴いてほしいです。何卒。
   
   「アイデア刺激法 〜どう?〜」
  ・ Spotify
  ・ Apple Podcasts
  ・ Amazon Music


吉兼 尾上さんは何に出たんですか? 実行委員だから大変なんじゃない?

尾上 そう、企画出しちゃったのもあり、
   「あんた責任取って出なさいよ」
   みたいなのもあったものでね。
   俺は1日目が「何でもありナイト」ね。
   だからそう、CMナイトみたいな感じで、
   いろんな手法を取ってる人たちを集めたやつの座長をやりました。
   で、次の日が……ちょっと忘れてきたな。

吉兼 やばいよそれ。実行委員なのに。

尾上 いや、その順番がわかんなくなってきている。

吉兼 順番はいいよ。

尾上 それこそ村田とやってる「どう?」っていうネタのポッドキャストで時間もらいまして。
   ゲストにオモコロ編集長の原宿さんを呼んでですね。

吉兼 盛り上がったんですか?

尾上 盛り上がりましたよ。よかったね。大爆笑。揺れた、ビルが。

吉兼 でもCMプランナーナイトで、村田MCスベってたよ(笑)
   夜7時からだったからかな。
   電通のPCって自動でログアウトするんだよね?

   始まった瞬間にログアウトしちゃって、村田MCの脂汗が止まらないわけ(笑)

尾上 でもそこで軽妙なトークでつないだりしてたんでしょ?

吉兼 必死につなぎましたよ。俺と佐藤雄介さんで。

尾上 そこから盛り返したりしないの?

吉兼 盛り返した。後半は鈴木晋太郎さんが覚醒して、立川談志みたいに暴れまくって。急に
   「自分が面白いと思った仕事なんかねえ!」
   とか言い出して、そこから盛り上がった。

尾上 良かったじゃん。

吉兼 あなた、裏の番組っていうか裏のコマでタレント呼んでやってなかった?

尾上 タレント? 最終日ね。村上信五さんが来てたのよ。
   彼が自分のAIである「AIシンゴ」ってキャラクター作って運用したりなどしていて。
   そこで、テクノロジーの“怖い面”を、
   どこまで扱っていいのかを弁護士の水野さんやテクノロジストたちと一緒に話す枠があって。
 
   それをどうくるむかってなったときに、
   「ホラーにしたほうがいいんじゃないか」
   と企画出したの。
   オカルトとして“今後起こりうること”として語ると面白いかなって。
   そのまま採用されて、
   次の打ち合わせに行けなくて送られてきた脚本で俺が怪談師役になってた。
   怖くない?
 
吉兼 浴衣みたいなの着てなかった?

尾上 稲川淳二みたいな。

吉兼 同時間に村田と尾上、どっちもスベったってたんだ……? こわいこわい。

尾上 怪談師は……まあ、スベってはないと思う。
   最初はウケてたし。ただ、回を重ねるとパターン化してきて、ウケが弱くなってたかも?

吉兼 村上さんのファンがすごい並んでて。
   「この人たち広告興味ないだろうな」って人もいっぱい。

尾上 村上さん、すごかったね。場の回し方がプロ。
   知識もあるし、「今この人あんまり話してないから振ろう」みたいな空気読みも完璧。

吉兼 さすがだね。

尾上 あと、「掲出-1 グランプリ」っていう若手向けの企画もあって。
   The Creative Lifeっていう電通のCRの面々の一日を追う映画にも出させていただいた。
   最後は「全座長集合ナイト」。

吉兼 俺は見れてないんだけど、いろんなジャンルの人がいて何を話すの?

尾上 菅野さんがお題出して、それについてみんな話すって感じだった。
   古川裕也さんが聞いてて。
   顔ぜんぶ見えるんだけど、古川さんが斜め上の方に座ってて。
   ゴリゴリにバレてるなって感じだったんだけど。
   「えぐちりかの話が良かった」
   って言ってた。

吉兼 何が良かったの?

尾上 “物事が動く時には、とにかく人がいっぱいその場にいて体感することが大事”って話。
   虎ノ門広告祭は、まさに“身体的価値”があったって。

吉兼 磯島さんも言ってたよね?
   「身にならなくても集まって活動して熱を帯びることが大事」
   だって。

尾上 そういうこと!
   レジェンドは、ああいう動物的なことを感じて言語化するのは上手だよなあ。

吉兼 あと、「広告祭」にしたのが良かったよね。「クリエイティブ祭」じゃなくて。
   広告を仕事にしてる人たちが勇気づけられる。自己肯定感上がるよね。

尾上 「あんなに人が来るんだとか、こんなにいるんだ」って。

吉兼 来年もやってほしいな。

尾上 ただ、あれは本当に大変だと思うよ。運営するほうは。

吉兼 菅野さん、痩せてたもんね…

尾上 最後、ジャコメッティみたいになるはず。
   しかし、大きい絵を描いて実行するって、本当にすごいことだよ。
   自分にはあんな大役はできないだろうな。

吉兼 いや、いずれやるよ。「虎ノ門広告祭 2035」とかで。

尾上 継ぐシステムなの?カンヌとかアートフェスタとか、チェアマンずっと同じですよ。
   菅野さん、銅像になるまでやるんだよ。

吉兼 銅像を先に作っちゃえば……

尾上 お金入れたら動く銅像。

吉兼 (笑)C-3POみたいな。

尾上 たまに駅前にいるやつ。

吉兼 ——これがもう増上寺か。

尾上 増上寺の裏側なんですよ。

吉兼 すごい綺麗。黄色いイチョウと、真っ赤な東京タワーのコントラスト。

尾上 これ綺麗ですね。確かに——
   あれ、虎ノ門広告祭の話は、そんなもんでいいのかね。

吉兼 そうね。いいんじゃない?
   「若い人がたくさん来てくれてよかったね!」
   って話じゃん。

尾上 いや、ちょっと待って(笑)
   俺は自分の出たやつはもう大丈夫なんです。中身わかってるから。
   あなたが出た他のものたちの学びとか、若い人にシェアしたいことがあったら、
   教えてほしいですね。

吉兼 ……なんだろうね。温故知新ってことなんだろうけど。

尾上 レジェンドたちの?

吉兼 そう。俺の場合は新しいことを発表するコマじゃなかったから。
   黒須さんの名作を見たり、権八さんと井村さんの名作を見たり、
      過去の名作からの学びみたいなものを現代にどう生かすか、
   っていうところまでは、いけなかったかな。
   だから、うまく名作インプットに
   「虎ノ門広告祭を使ってくださいと」
   「若者よ、あとは任せたぞ!」
   ということかな…

尾上 ということかな……じゃないよ! 
   具体的には? あの作品が今生きるねとか、あれは今ちょっとな、みたいな話ですよ。

吉兼 でも昔の広告界と今の広告界が違いすぎてさ。

尾上 お!面白そうですね。

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