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コピー書くとき、まず何考える?

岩田泰河

電通でコピーライターをしている岩田泰河です。

2014年入社で、現在、12年目になります。

 

コピーライターなので、コピーについて書きます。

自分が脳内で最近考えている、

かなりマニアックかつハードコアなことを垂れ流します。

 

というスタンスでここまで連載してきましたが、

ハードコアすぎて反省しているので、

今回は、コピーライター2年目の後輩Mさんと対談して、

かなりとっつきやすい内容にしてみました。

 

では、対談をお楽しみください!

 

1 コピー書くとき、まず何考える?

 

M:
コピーライターになって、もう2年経ったんですけど…正直、コピーについては「全部わからない」です。今日はその「わからない」をそのまま持ってきました。まず、いちばん基本のところから聞きたいんです。

コピーを書くときって、まず何を考えればいいんですか?

岩田:
いきなり難しい質問を…(笑)

いろんなやり方があるし、案件によっても違いがありますが、自分がどの仕事でも、やっていることは、その企業やサービスのイメージを、いったんぜんぶ書き出すことです。

「この企業ってこういう感じだよな」「今の時代、ビジネス的に変わり目なのかな」「最近、人気あるのかな」「CMやるとしたらこんな人の声、音楽かな」「こんなこと言ってくれたらかっこいいかな」とかとか、仕事内容をインプットする前にイメージを書き出しておく、という作業はやっています。

M:
それ、知ってる商品と、知らない商品で違いってありますか?

岩田:
やっぱり違いはある…けど、やってることは変わらないかな。知っている商品のときって、すでに自分の中にイメージがあるじゃないですか。なのであまり考えずに書き出せますよね。逆に知らない商品の場合はあまり調べたりせずに、その商品のジャンルについて思うことやイメージをどんどん書いていきます。

M:
それって「コピー」というより、感想に近いものですか?

岩田:
そうですね。コピーとして出てくればいいけど…感想やつぶやきでも大丈夫だと思っています。大事なのは、「自分が本当に思っていることを頭の外に出しておく」ことかなと。言葉を書いて目の前に並べると客観的に眺められるし、いちばん大事なのは、このプロセスで脳の中を一度広げておくことかなと思っています。ニューロンのつながりを増やしておくというか。一回、その商品について考えを広げて、脳内回路を増やしておくと、オリエンが変わったりしても、スムーズに対応できるというか。

そもそも、広告の仕事って、いろんな状況や事情に合わせて変わっていくものなので、本格的にその案件について知ってしまう前に、一回やっておきたいと思ってます。

AIとか使ってもいいですが、最初は自分の頭を広げることに意味があると思っているので、僕はこの段階では使いません。というか、この作業が楽しくてコピー書いてる感じもあるので、自分で考えたい(笑)。

たとえば「新商品・若者向けのお茶」だったら、「逆に、70代は飲まないでください」「ピクニックに持って行きたい」「運動後に飲めたりする」「爽やかすぎて、もはや水」「お茶じゃない、Ochaだ」「心もGreenに」「古いお茶か、新しいお茶か」「味はそこそこ、でも最新」「人を年齢で決めるな」「コーヒーにはもう飽きた」「誰にも似てないお茶」「正直、お茶って苦い」とかとか。ほんと無責任な感想やイメージを、まずダーッと書いてしまいます。「誰に向けて」とかも、一旦は気にしなくていいと思います。失礼なことも書いていいと思います。クオリティも低くていい。

M:
いいところを書こうとしない、ってことですか?

岩田:
そうですね。いいところだけじゃなくて、「これ言ったら怒られるかな」みたいなことも含めて、一回全部書いちゃうほうが、後で整理しやすい気がします。

 

 

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