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第一回 コピーライターのすすめ

三島邦彦

なぜ今、コピーライターなのか。

 

ピ、ピ、ピ、ポーン。2022年12月をお知らせします。

僕の名前は三島邦彦。コピーライターという仕事をやっています。そして、コピーライターという仕事をあなたにすすめたいと思っています。

 

2022年現在、日本の広告界はコミュニケーションプランナーやアクティベーションプランナー、あるいはPRプランナーという職種が勢力を増し、かつてコピーライターの大きな供給源であった広告代理店では若手コピーライターの減少が止まりません。このままいけば、コピーライターという職種はやがてなくなってしまうのではなかろうかと危機が叫ばれています(叫んでいるのは主に僕です)。一方で、Twitterに目を移すと、コピーのことを好きな人、コピーを書くことが好きな人が若い世代にもたくさんいることがわかります。そういう人たちに僕は希望を見ています。

 

これを今読んでいるあなたは、少なくともコピーライターというものへの興味がゼロではない(ゼロだとしたらあなたが怖い)はずなので、あなたという存在こそが希望なわけです。

 

僕が生まれる前のことですが、かつて日本には、コピーライターブームというものがあったそうです。糸井重里さんや仲畑貴志さんといったスターコピーライターが次々とヒットを飛ばし、多くの若者がコピーライターを目指した。その熱狂を生み出した多くの名作コピーは、今もコピーライターにとっての大きな宝であり道標となっています。しかしそこから、CMプランナーの時代と呼ばれるものがあり、コミュニケーションデザインの時代があり、2022年現在、コピーは伝統芸能であるというようなことを言う人が広告代理店の中にもいる始末です。

 

僕はそもそも落語が大好きなので、伝統芸能という言葉をそのようにあしざまに使う人はいかがなものかと思いますが、僕はコピーが伝統芸能であっても一向に構わないと思います。変わり続けるものが伝統で、変わらないものが古典。能楽師の安田登さんがそんなことを言っていましたが、変わり続ければ伝統は死なないわけです。落語もかつては滅んでしまうと言われていた危機があり、そこを乗り越え今がある。メディアの環境も大きく変わり、広告も変わった今。この今だからこそコピーライターになる価値がある。今、コピーライターになっておけば10年後くらいにとてもいいことがあるはず。というのが僕の持論です。カンタンに言うと、ライバルは減り続け、需要は増え続け、飽きることなく続けられるおもしろい仕事ができる、ということなのですが、それがどういうことなのかをこの連載を通じてお伝えしていきたいと思います。

 

コピーライターとは何をする人なのか、コピーライターになるとはどういうことなのか、

コピーライターになるために何をするべきなのか。では、はじめましょう。

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