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やっぱ、コピーは100本書いたほうがいいと思う。

岩田泰河

電通でコピーライターをしている岩田泰河です。

2014年入社で、現在、12年目になります。

 

コピーライターなので、コピーについて書きます。

自分が脳内で最近考えている、

かなりマニアックかつハードコアなことを垂れ流します。

 

やっぱ、コピーは100本書いた方がいいと思う。

 

30歳を超えてから、年末に仕事を振り返るようになりました。

こたつに入って1年の仕事を思い出し、来年の仕事を妄想します。

ふと、1年間で世に出たコピーを数えていて、びっくりしました。

少なすぎて。

自分で言うのもどうかと思いますが、

大手の広告会社に勤め、スケジュールは打ち合わせでびっしり。

なのに、世に出るコピーは、たったのこんだけ?

・・・ま、でも、コピーライターの仕事ってそういうもんだからな。

クライアントに通らない企画もあるし、

立ち消えになったプロジェクトもあるし。

気を取り直して、打ち合わせの資料を思い出してみました。

で、1年間で、何本コピーを書いているんだっけ・・・

と考えて、血の気が引きました。

・・・思ったより、書いてなくないか?

 

ここで、コピーライターのみなさんに質問です。

 

最近、コピー書いてますか?

 

「コピーライターなんだから、書いてるに決まってますよ」

と思っても、念のため、数え直してみてはいかがでしょうか。

コピーライターってことは、コピーのプロ。

世間のイメージ的には、1週間に100本とか200本、

年間10,000本は書いてそうじゃないですか?

だから、コピーライターの名刺を見せると、

クライアントも0.1秒くらい「おっ」って表情してくれるんじゃないですか?

でも、でも。

実際、みなさんそんなに書いてますか?

認めたくないですが、僕は思ったよりコピーを書いていませんでした。

少なくとも、若手の頃ほどは書いていません。

若手の頃は、先輩との打ち合わせが怖くて、たくさんコピーを持っていっていたのに。

昔から、アイデアの数を考えるのは苦手なほうでしたが、

それでも、コピーを1枚1行ずつ印刷して、打ち合わせの机にバーっと並べてたのに。

僕の場合は、それでも少なくて怒られたりしてましたが・・・

 

書かなくなった言い訳3連発

 

なぜ、書かなくなったんでしょうか?

 

仮説1:コピーライターの進化説

コピーライターという肩書きでも、コピーだけ考えていればいい時代が終わったんですよ。グラフィックの仕事はもちろん、CMとかSNSとか、映像の企画を求められることが多いですから。そうそう、PRとか、世の中視点も重要なんですよ。話題化する広告も、コピーがバズってる広告なんて、年間10本くらいじゃないですか?そもそも、打ち合わせでコピーだけの話をするシーンは減ったんじゃないでしょうか?

 

仮説2:技術が上がった説

コピーが上手くなったんでしょう。若手の頃って、判断基準がないし、どんなコピーが正解かわからないから数を書くしかなかったですよね。でも、もう経験を積み重ねているので、数は少なくてもクオリティの高いコピーが書けるようになったんだと思います。これからはAIの時代だし、数を書くことはAIに任せて、経験がある人がディレクションしていけばいいんじゃないでしょうか?

 

仮説3:仕事が多様化しすぎている説

シンプルにやるべきことが増えたんだと思います。コピーライターの領域が拡大しているのに、案件数も増えている。後輩がいるときはCDとして動くこともある。時間は有限だから、1つの案件に注げる時間は若手の頃よりも減ってしまうのは仕方のないことですよ。その証拠に、たしかにコピーは昔ほど書いていないけど、世の中に出る仕事は増えてるし、規模や出稿量は大きくなっているから問題ないんじゃないでしょうか?

 

・・・と、このあたりまで考えて、

そんな言い訳するなら、もうコピーライターやめちまえよ俺。

って思いました。ダっせえい言い訳だな、ほんと。

ぜんぶ、そこそこ理屈は通ってる感じするけど、

その理屈が気持ち悪いんだよな。

いいから黙って100案書けよ、岩田!やべえだろ。

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