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気づいたら、アメリカでCDをやっていた男の話④

曽原剛
今年もカンヌフェスティバルが終わり、
みなさんも海外の素敵なマーケティング事例をたくさん目にしたと思います。
そこで今回は、私が普段のアメリカ生活の中で気になり、
好きになったブランドの事例を紹介したいと思います。
Liquid Death
日本でも最近紹介されることが多くなったので、
あなたも聞いたことがあるかもしれません。
商品自体は、「ただの天然水」。でもこの「リキッドデス」は
本当にやることすべてが見事です。
見ての通り、デザインはパンクでハードロック。
ビールやエナジードリンクのようだが、中身は健康的な水(今ではお茶や無糖炭酸水も)。
実は、創業者のMike Cessarioは元々アートディレクターで、
様々な広告キャンペーンを手がけた人でした。
そんな彼が、ロックフェスに行った時に、
多くの強面ファンがエナジードリンクの缶に水を入れて飲んでいるのを目にし、
この商品を思いついたのが始まりだったそうです。
「水は飲みたいけど、どれも見た目が俺たちのスタイルにはヤワなんだよな」と。
そしてそのアイディアが2018年に形となり、
「Murder Your Thirst(渇きを、ぶっころせ)」という
インパクトのあるメッセージとともに発売されました。
そんなニッチな商品が上手くいくのかね?という評価とは裏腹に、
なんと2024年には、1500億円を超える企業価値のあるブランドに成長し、
今ではごく普通のスーパーマケットで、どこでも買える飲み物となっています。
では、いったいこのブランドは何をしたんでしょう。
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