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アドさんぽ 第六話
吉兼啓介 / 尾上永晃
吉兼 アド散歩最終回。
尾上 ついに。
吉兼 6回目。
尾上 寂しいね。
吉兼 思ってないでしょ?
尾上 思ってる、思ってる。ちょっと寂しいなという気持ちを持ってやってきましたよ。
吉兼 前回、続けてほしいって人お便りください!って言ったじゃん。でも、たぶん何もADBOXから連絡ないから、お便りないんだよ。
尾上 まあしょうがないよね。打ち切りか。
吉兼 そうそう。
尾上 まあでもライジングインパクトというジャンプのゴルフ漫画は、1回打ち切られた後に手紙がめっちゃ来て、再度始まりまして、人気作になり、それが今度Netflixのアニメになる。
吉兼 あれでしょう、光の道が見えるやつ。
尾上 そうそう。シャイニングロード。そういうこともあるから、終わった後にね。
吉兼 もう1回歩いて!ってお便りお待ちしています。
尾上 歩いてほしい場所とかね。わからないですけど。
吉兼 私の地元に来て!とか。
尾上 そういうのがあれば、喜んで。
吉兼 今日は神保町から日本橋三越まで歩きます。なんでこのルートなんですか?
尾上 アドさんぽは元々ね、広告に関係ある場所を歩こうってなって、徐々にあんま関係なくなっていきましたが、最後、ちゃんと戻そうと。で、三越は越後屋時代に反物を売る広告とかで、けっこう前衛的なことをやって話題をかっさらっていったんですね。日本広告の元祖の場所といえるんじゃないかということで、バック・トゥ・ベーシックですよ。
吉兼 なるほど。そこに向かっていきます。
尾上 そういうことです。神保町である理由はあなたが都合が良かったから。
吉兼 新宿線でうちから1本なんで、楽です。ちょうど30分くらいで歩けるというね。
尾上 ああ、そうね。出版社も多いからね。
吉兼 あ、近いからじゃないわ。博報堂って元々、雑誌広告の会社だったんだよね。たしか研修で習った気がする。だから神保町です。けして近いからではないです。(笑)
尾上 まあつながったということでね。
吉兼 今日は何を話しますか?
尾上 あなたあれでしょう、カンヌに行ってた。お土産までいただいて、ありがとうございます。どうでしたか?
吉兼 カンヌ、12年ぶりくらいに行ったんですよ。ヤングカンヌで2年目か3年目のときに行ったきり。
尾上 代表だったんだ。なんの? フィルム?
吉兼 メディア。
尾上 へえ、意外な。
吉兼 今回はもちろんセミナーも見たり受賞作品も見たんだけど、営業も目的なの。HAKUHODO CABINという会社をいろいろな人に知ってもらうという。
尾上 なるほど。
吉兼 だから、飲むのも仕事だったんですよ。
尾上 受賞作はどんなでした?
吉兼 Appleの広告が近年受賞しているのが良いことだなと思って。去年のグランプリがさ、トカゲが死んでなかったっていうCM。そういう日本でも流れてるCMが受賞するとすごくかっこよいよね。知る人ぞ知るCMじゃなくてさ、すごくマスなもの。そうなってきてたのがうれしいな。今年もAppleはゴールドに入ってたし。まあグランプリよくわからなかったけど。
尾上 あるあるだよね。グランプリは複雑な文脈すぎてあんまりわからないという。
吉兼 なんか最終回にふさわしい話をしてくださいよ。
尾上 なんですかね。話してきたことは若手時代にこういうことやったよとか、日々のこういうのがいいことだよねとか、そんな話をしてましたけどね。
吉兼 そうね。若手の悩みとかね。今後どういう広告がとかいう話はしてなくない? 必要とされていく広告みたいな。最終回だからちょっと。
尾上 未来志向で。
吉兼 そう。何かの指針を残して終わりましょうか。
尾上 なるほど。すごいね。なんかあるの? それ、言うからには。
吉兼 いや、何も。
尾上 あ、投げてみたってこと?
吉兼 うん。だって尾上さん、あれじゃん。先見の明があるでしょう。
尾上 ないない。嶋野さんね、先見の明があるのは。俺はもう言われたままやってるだけだから。
吉兼 でもTCC年鑑とかをさ、昔の見るじゃん、尾上さん。なんか、時代は繰り返すのだ!とか言ってなかったっけ?
尾上 まあそうそう。20年1周期説みたいなのがあったりとかね。文化が20年ごとに繰り返すという。NewJeansはSPEEDでしょうみたいな。あれ、30年か。30年1周期だったかな。
吉兼 だとしたらさ、30年前の広告見たらわかるってこと?
尾上 もう大ヒント。
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